GROUP グループ

本研究は日仏の研究者が手を携え、共同研究グループを形成した国際的なプロジェクト(2023年10月ー2029年3月予定)であり、認知神経科学G、現象学G、ニューロリハビリテーションGの日仏3グループずつの研究体制で進めます。各分野における卓越した研究力と、分野の垣根を超えた連携・共同研究を通じてナラティブ・エンボディメントの理解とリハビリテーションへの応用を進めます。

認知神経科学グループ

脳のなかの物語と身体:新しい自己の認知神経科学

認知神経科学グループは、脳活動、身体活動、現象学的インタビューを統合的に計測・解析する技術を開発します。ナラティブ・エンボディメントのメカニズムを解明するため、健常者を対象として脳波(EEG)や近赤外分光法(NIRS)を用いて脳活動を測定し、心拍などの生理・行動データやインタビューとの同時計測を行います。さらにVRを用いてリハビリテーション効果を促進するナラティブ介入技術を開発します。

現象学グループ

物語の力を解き明かす:現象学的アプローチ

現象学グループは、患者のナラティブを質的にデータ化する現象学的インタビュー手法を開発します。日仏で共通して使用できる半構造化インタビューを開発し、患者のナラティブがリハビリテーションの回復過程にどう影響するかを調べます。ナラティブデータの質的分析を通じて患者のナラティブ遷移モデルを構築します。これらを通じて東洋と西洋における「自己」や「ナラティブ」の概念について哲学的な洞察を深めます。

ニューロリハビリテーション
グループ

物語と身体のダイナミクス:リハビリテーションの新境地

ニューロリハビリテーショングループは、患者の脳・身体・ナラティブデータを縦断的に計測し、回復過程を追う研究を現象学Gと協力して実施します。ポジティブなナラティブを持つ患者は比較的予後が良いことが逸話的には知られており、この科学的エビデンスを得ることを目指します。本研究では特に歩行や上肢運動の回復過程に着目します。さらに、認知神経科学Gで開発されたVRアバターを用いたナラティブ介入技術を適用し、その効果を検証します。